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- 連載第1回
- 0. 序:重要視していること
- 1. 「再利用」のときの手間をなるべく少なくするために
- 1.1. 鉄則1「スペースを使ってレイアウトしないこと」
- 連載第2回
- 1.2. 鉄則2「行ごとに直接、書式を指定してしまわないこと」
- 1.3. 鉄則3「オートフォーマットは使わないこと」
- 1.4. 鉄則4「すべての編集記号を表示させること」
- 連載第3回
- 1.5. 例文番号
- 連載第4回
- 1.6. テンプレート
- 連載第5回
- 2. 文書作成の効率化のために
- 2.1. 目次とアウトラインモード
- 連載第6回
- 2.2. revision mode(変更履歴)
- 3. 文書を電子的にやりとりする場合のために
- 連載第7回
- 4. 補遺
- 4.1. 樹形図を描く方法について
- 4.2. 「Symbol」フォントについて
- 4.3. 本/論文の整理方法について
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質問/コメント/意見/感想のある方はこちらのフォームからどうぞ。個別にはお返事できないかもしれませんが、なるべく、このページ上で返答するようにいたします。
研究者のための Word 利用法 |
第5回 |
2. 文書作成の効率化のために
2.1. 目次とアウトラインモード
2.1.1. セクション番号
セクションには、たいていセクション番号と見出しがつく。セクション番号のつけ方にはいろいろあるが、たとえば次のような方式は、あまり望ましくないと考えている。
2. - - - - -
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A. - - - - -
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a. - - - - -
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b. - - - - -
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B. - - - - -
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3. - - - - -
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全体を見渡すことができれば、どのセクション番号がどのセクション番号よりも上位の区切りかということがわかるが、文書を読んでいる途中の段階では、たとえば、「B.」という部分の一部に「3.」という部分があるのかどうかということが明らかではないからである。これに対して、次のようなセクション番号のつけ方だと、そのような紛らわしさがない。
2. - - - - -
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2.1. - - - - -
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2.1.1. - - - - -
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2.1.2. - - - - -
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2.2. - - - - -
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3. - - - - -
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2.1.2. セクション見出しの行のスタイルについて
セクションの見出しの行は、単に太字指定や大きめのフォント指定で済ませるのではなく、スタイルを指定することによって、より統一的に書式を管理できることは上述した通りである。書式の管理という面だけから見ると、そのスタイル名は何でもいいところだが、セクション見出しについては、Word にもともと組み込まれているスタイル「見出し1」〜「見出し9」を用いるのがよいと思う。
「見出し1」は、その文書の一番大きなグループ分けとなるセクションの見出しに、「見出し2」は「見出し1」で区切られたグループ内のセクション見出しに用いる。たとえば、上の「2. 文書作成の効率化のために」ならば「見出し1」に、「2.1. 目次とアウトラインモード」ならば「見出し2」に、「2.1.2. セクション見出しの行のスタイルについて」ならば「見出し3」に相当することになる。さらに小さなセクション分けがあれば、順に「見出し4」「見出し5」等を使っていくことになる。
2.1.3. 目次
独自のスタイル名ではなく「見出し1」〜「見出し9」を用いた方がいい理由の1つは、そうしておくと、目次がワンタッチで簡単に作れることである。(最近のバージョンでは、独自のスタイルを指定していても、目次を作ることは可能であるようであるが、特にそうすることのメリットがあるとは思われない。)目次を置きたい場所にカーソルを置いて、「挿入」メニューから「目次」を選ぶと、「見出し1」等が指定されている行から自動的に目次が作られる。文書の表題に「見出し1」スタイルを用いているケースも時々見かけるが、そうしてしまうと目次の中に文書全体の表題も含まれてしまうことになるので、避けた方がよいだろう。目次を作るのは文書が完成してからである必要はない。更新をすれば、いつでも現段階での目次に変更できる。目次の中の任意の行をクリックすると、文書のその場所にジャンプする機能もある。
2.1.4. アウトラインモード
さらに、文書の中の構成を見直すためにはアウトラインモードが便利である。Word には、他にも「下書きモード」「レイアウトモード」等の表示モードがあるが、「アウトラインモード」では、たとえば「見出し1」スタイルが指定されている行だけを表示したり、「見出し3」以上(すなわち「見出し1」「見出し2」「見出し3」)の行だけを表示したりして、全体の構成を見渡すことができる。それだけならば、目次を見るのとあまり変わらないが、アウトラインモードでは、任意の部分を選択してドラッグすることにより、セクションの順序を変えたり、見出しのレベルを変更することにより、独立したセクションだったものを別のセクションの一部にしたりすることもできる。
2.1.5. セクションの自動番号づけ
ただし、セクションの構成を変えた場合には、セクション番号がずれてしまうということが起きる。最も困るのは、「〜については、#.# 節で述べる」と書いてある場合、その番号がずれてしまうことである。Word では、「見出し1」〜「見出し9」のスタイルが指定されている行の先頭に、自動的にセクション番号を付してくれる機能がある。「書式」メニューから「箇条書きと段落番号」を選び、好みのスタイルを指定すればよい。その場合、アウトラインモードで構成を変えても、瞬時にセクション番号が正しいものに入れ替わる。また、セクション番号を参照しリンクをはる機能もあり、それを用いていれば、「#.# 節で述べる」という文があっても心配ない。
このセクションの自動番号づけは非常に便利な機能であるが、1つ問題がある。なぜか、文書をメールに添付して送った場合、その番号が相手先では表示されない状態になっている場合がよくあるのである。そうすると、こちらがセクション番号によってセクションのレベルを適切に表示しているつもりでも、相手先では単なる「見出し」としか見えていないことになり、また、「〜については、#.# 節で述べる」という部分にリンクをはっていると、すべて「0.0 節」と表示されてしまうことになる。もちろん、相手先であらためて自動セクション番号をつけてもらった上でリンクの情報を更新してもらえば正しい表示に回復するのであるが、そこまでしてもらえない場合もあるだろう。その危険性を考えると、文書の構成を考えている段階ではセクション番号の自動表示機能を最大限に活用しておき、完成した段階で、セクション番号とその番号を参照している部分すべてに数字を入力しなおす方がいいかもしれない。
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