0. 序:重要視していること
以下では、次のようなことを重要視している。 |
(1) | a. | 入力した内容は、後々、さまざまな形で「再利用」する可能性がある。「再利用」の場合の手間は最小限にしたい。 |
| b. | せっかくコンピュータを使うのだから、清書するために使うだけでなく、文書作成そのものの効率を上げる使い方をしたい。 |
| c. | 論文 etc. を電子的に(=e-mail等で)やりとりする機会が増えている。人の手に渡った場合、なるべく自分が意図しているのと同じように表示されるようであってほしい。 |
文書としての「見栄え」もある程度、重要だろうが、そのために上の (1a,b,c) が犠牲になる場合には、私は、見栄えについては少々譲歩して、(1)と両立しうる次善の策を探すようにしている。「研究者のための」ということわり書きは、あまり適切ではないかもしれないが、以下は、上の(1)のような目的を持っている場合の話として理解してほしい。
1. 「再利用」のときの手間をなるべく少なくするために
1.1. 鉄則1「スペースを使ってレイアウトしないこと」
たとえば、ある行を次のように表示させたかったとする。(「×」が文字部分、「□」は文字として入力されたスペースとする。)
(2) ××××××××××××××××××××××××
□□□□□××××××××××××××××××××××
□□□□□×××××××××××××××××××
1行目の最後で改行して2行目の頭に適当にスペースを入力すれば、こういう結果が得られる。しかし、急に違うサイズの紙に印刷したいということになったら、どうなるだろうか。そのままだと、たとえば次のようになってしまい、まったくレイアウトがこわれてしまう。
(3) ×××××××××××××××××
×××××××
□□□□□×××××××××××××××
×××××××
□□□□□×××××××××××××××
(4) ××××××××××××××××
××××××××□□□□□××××××
××××××××××××××××□□□
□□×××××××××××××××
こんなふうになってしまっては、最初からレイアウトをやり直すことになり、手間がかかってかなり損をする。これはしょうがないことだとあきらめてしまっている人、もしくは、再利用のことを考えていない人が多いように思う。しかし、実は、この手の手間は、書く場合に、少し意識をもって気をつけるだけで、かなり防ぐことができるのである。
1.1.1. 「ぶらさげインデント」
たとえば、Word には「ぶらさげインデント」という書式を指定することができる。これは、たとえば、2行目以降を何mmか下げて表示させる、という指定をすることによって、紙のサイズに変わっても、ちゃんと次のような表示がえられるものである。
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(5) | | ××××××××××××××××××××××
××××××××××××××××××××××
×××××××××××××××××
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(6) | | ×××××××××××××××××
×××××××××××××××××
×××××××××××××××××
××××××××××××××
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まず、この「ぶらさげインデント」という書式を使うだけでも、再フォーマットの場合にかかる手間をずいぶん減らすことができる。
1.1.2. 「タブ指定」
「Tab」キーを入力しておいて、書式としてタブの数値を指定するという方法も役に立つ。
(7)[Tab→ ]a.[Tab→ ]例文
[Tab→ ]b.[Tab→ ]例文
このようにすれば、例文同士の頭がピッタリと揃う。さらに、例文の書式として「ぶらさげインデント」を用いて、2行目以降を2つめの Tab と同じ値にしておけば、自動的に次のようなレイアウトが得られる。
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(8) |
a. |
×××××××××××××××××××
×××××××××××××××××××
××××××××××
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b. |
×××××××××××××××××××
×××××××
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c. |
××××××××××××
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