2004 前期(学部生向け)言語学・応用言語学演習 VII

ここに連絡事項を掲載することがありますので、受講者はときどきチェックするようにしてください。
2004.6.29.
 今日の授業で言ったように、授業評価をよろしくお願いします。期限は、7月5日(Mon) 17:00 です。
2004.6.10.
 前回の授業で言ったように、今後は、原則的に日曜日の 17:00 までに届いた予習課題だけについて、ハンドアウトの中で言及するかどうかを考慮することにします。予習課題そのものは、月曜日の 17:00 まで受け付けます。

■ 講義題目:日本語の基本構造

■ 授業目的

 文の構造というものは、研究が進むにつれて新しい側面が明らかになっていくものであるから、定まった1つの答えがあるわけではないが、ある程度、衆目の一致する面もある。この授業では、具体的にいろいろな日本語の文を取り上げ、その構造について、どういう点をおさえておかなければならないかを議論する。基本的な構文ならば、大体の構造図が書けるようになることが目標である。受講学生の制限はないが、授業の主たるターゲットとして、言語学・応用言語学専攻の3年生を想定している。

 まず、予習課題として、授業内容と関連する例文を集めてきてもらう。予習課題は、単位をとるかどうかと関係なく、原則的に授業に参加する全員が提出してほしい。そこで提出された例文に言及しながら、授業では、当該構文の構造について議論していく。(予習課題提出に関する詳しいことについては、下の項目を参照のこと。)

 文の構造図は、自分で書いてみて初めて、様々な細かい点に注意を向けることができるようになる。また、ある程度、数をこなすことによって、省略していい部分といけない部分との区別がつくようになる。この授業では、毎授業の開始時に、復習テストとして構造図を書く練習をしてもらい、そこであらためて出てきた疑問点にも答えていく。この復習テストは出欠確認を兼ねており、細かい得点化はしないが、よっぽど出来の悪いものは区別したいと思っている。

 また、最低1本のレポートを仕上げて提出することを単位認定の条件の1つとする。レポートでは、何らかの構文を自分で選んで、その構文の構造図はどのようなものか、理由をつけて説明した上で、結論としての構造図を書いてもらう。対象とする構文は、授業で取り上げたものでも、取り上げなかったものでも、かまわない。(レポート課題提出に関する詳しいことについては、下の項目を参照のこと。)

授業内容

(更新日:2009.06.26)
第1回 2004.04.13.
説明する内容 文法と文の構造
授業の進め方についての説明
第2回 2004.04.20.
説明する内容 述語と項の関係
予習課題 No.2  次のそれぞれの述語がどのような項をとるか、例文を添えて、答えなさい。 (1) 見つける  (2) 紹介する  (3) 流れる  (4) 赤い  (5) 集める
第3回 2004.04.27.
説明する内容 単文と複文
予習課題 No.3  日本語で、主語もしくは目的語にあたる部分が節となっている例を3つあげなさい。
第4回 2004.05.11.
説明する内容 修飾関係
予習課題 No.4  日本語で、関係節を含む例文を3つ書きなさい。
第5回 2004.05.18.
説明する内容 主題と述部の関係
予習課題 No.5  「〜ハ」という句が述語と直接の意味役割関係を持たない例を3つ書きなさい。
第6回 2004.05.25.
説明する内容 さまざまな副詞表現
予習課題 No.6  次の副詞表現を使った例文をそれぞれ1つずつ書きなさい。 (1) おそらく  (2) ゆっくりと  (3) やっぱり  (4) せめて  (5) 少しずつ
第7回 2004.06.01.
説明する内容 スコープ
予習課題 No.7  日本語の間接疑問文の例を3つあげなさい。
第8回 2004.06.08.
説明する内容 QR(Quantifier Raising:量化詞繰上げ)
予習課題 No.8  次の文には、どのような解釈があるか、説明しなさい。 (1) 2人の男の子が3人の女の子をパーティに招待した。
第9回 2004.06.15.
説明する内容 連動読み
予習課題 No.9  次の文には、どのような解釈があるか、説明しなさい。 (1) トヨタだけが、そこの子会社を 連盟に 推薦した。
第10回 2004.06.29.
説明する内容 かきまぜ構文
予習課題 No.10  次の文には、どのような解釈があるか、説明しなさい。 (1) 3人の女の子を2人の男の子がパーティに招待した。
第11回 2004.07.06.
説明する内容 分裂文
予習課題 No.11  「〜のは〜だ」という例文を3つあげなさい。(例:「アメリカを発見したのはコロンブスだ」) なるべくバラエティに富んだものにすること。

■ 参考書

  • 郡司隆男 (2002) 『単語と文の構造』 現代言語学入門3、岩波書店。\3200
 必ずしも、授業の内容に沿っているわけではないが、別の観点から同じテーマがどのように扱われているかに興味がある人は読んでみてもいいかもしれない。

■ 予習課題について
  • 予習課題は、指定された特徴を持つ例文を集めてくるというものが多い。例文は自分の頭で考えても、何か資料から集めても、どちらでもかまわない。なるべく、バラエティに富んだ例を見つけるように努力すること。
  • 予習課題は、当該授業の前日の17:00までに必着とする。
  • 予習課題の提出は e-mail でhomework[@]gges.xyz (← @ の前後の [ ] を取り除いたものがメールアドレス)宛てに送ることとする。
  • メールのSubject(件名):「予習課題 No.##」
  • メール本文の冒頭に、専攻・学年・氏名を書くこと。課題のあとに、授業の感想・質問・自己紹介・メッセージなども自由に記載してもらってかまわない。
  • 添付ファイルによる予習課題の提出も一応受け付けるが、テキストだけの内容の場合は、なるべく e-mail の本文に直接書いてもらった方がありがたい。何らかの理由でファイルを添付する場合には、そのファイル名を「予習No.##-名前」というふうにすること。
  • 出典がある場合には、その出典を必ず明記すること。
  • メールがこちらに到着したら「受け取りました」というメールが自動返信されるはずなので、それが来ない場合には、宛て先etc.が正しいかどうかをチェックして再度送信すること。
  • 予習課題は、(i) (締め切りまでに)提出されたかどうかと (ii) 内容の出来(A:特別に良い/B:普通にちゃんと出来ている/C:提出はされているが内容がともなっていない) の両方を評価する。
■ レポート課題について
  • レポート課題は、予習課題とは別の e-mail でhomework[@]gges.xyz (← @ の前後の [ ] を取り除いたものがメールアドレス) 宛てに送ることとする。
  • メールのSubject(件名):「レポート」
  • メール本文の冒頭に、専攻・学年・氏名を書くこと。課題のあとに、授業の感想・質問・自己紹介・メッセージなども自由に記載してもらってかまわない。
  • ファイルを添付する場合のファイル名: [自分の姓]-report-[提出回数]
     (例) Tanaka-report-1
       ... 田中くんが初めてレポートを提出する場合
  • 出典がある場合には、その出典を必ず明記すること。
  • メールがこちらに到着したら「受け取りました」というメールが自動返信されるはずなので、それが来ない場合には、宛て先etc.が正しいかどうかをチェックして再度送信すること。
  • レポート課題が主旨を取り違えている場合はもちろん、内容をよりよいものにするために、平均して3回程度、内容の改訂を求めるので、第一稿はなるべく早めに提出すること。
  • レポート課題の最終版の提出の締め切りは、7月31日とし、その最終版の出来によってA+ 〜 C の評価をする。
■ 単位の認定と提出物について
  • 学期末試験は課さない。
  • 単位は、予習課題・復習テスト・レポート等の提出物に基づいて判定する。
  • 課題の提出状況とその時点での暫定的な予想評点を表にして公開するので、気になる人は、授業終了時に参照して対策を相談してほしい。