トピックの選び方について

 「卒論」というと、肩に力が入ってしまって、何やら大層なテーマを取り上げなければならないと思ってしまう人が多いようですが、A4用紙15枚分というのは、いざ本気で書き始めたら、すぐ終わってしまうぐらいの長さです。大きなテーマを掲げてとりとめのない話にならないように気をつけてください。なるべく、具体的なワンポイントを取り上げて、関連する先行文献をしっかり勉強し、緻密に考察した結果を整理して書く、というのが卒論の目標です。

 どういうテーマだと大きすぎるのかということも、初めはわからないかもしれませんが、たとえば、教科書の章のタイトルになっているようなもの(例:「日本語の受身文について」「日本語の終助詞について)は、たいていの場合、卒論のトピックとしては大きすぎると思います。なるべくならば、「こうは言うのに、こうは言わないのは、なぜだろうか」等、具体的な観察が核になっているのが望ましいパターンだと思っています(cf. 「generalization を目指して」)。

 もちろん、「ちょっと気がついたこと」が何でも卒論のテーマになりうるわけではありません。何か思いついたことがあれば、自分で判断してしまわないで(複数の)教官に相談してみましょう。初めはダメでもともとです。いろいろ試行錯誤しているうちに、だんだん見当がついてくると思いますから、すぐに見つからなくても、あきらめずにテーマを探しましょう。うまくテーマが設定できれば、それで道のりは半分まで来たと言っても過言ではありません。