2008 (院生向け)理論言語学特論 I, II

ここに連絡事項を掲載することがありますので、受講者はときどきチェックするようにしてください。
2008.04.13.
 さあ、これから! というときに風邪を引いてしまって、準備がまた追いついていないのですが、とりあえず、前期の分だけ、ざっとした予定を載せました。ハンドアウトは、また今年も直前にしか準備できないような気がしますが、ベースとなっているのは、昨年度の首都大での集中講義のハンドアウトです。前もって少し予習をしておきたい人は、授業用の「Library」の old/2007Thu2/ の中にファイルがありますから、見てみてください。ただ、今年度、大幅に変わる可能性もありますし、私自身としては、予習を義務づけるつもりはありません。
 初回は、『生成文法の考え方』の1章のような話をざっとして、今後の予告的なことだけをして終わるつもりです。

2008.03.26.
 現在、下に掲げてあるのは、ほぼ去年度と同じものです。今年度も、去年度と目指すところは同じですが、去年の反省にたって、改定した内容にするつもりなので、スケジュールや、取り上げる論文など、まだ変更する可能性が大です。

講義題目

 言語理論と統語論・意味論

授業目的

 この授業では、基本的に生成文法の立場に立った上で、統語論と他のモジュールがどのような関係にあるかを考察し、特に意味論の役割を意識しながら、観察/記述/仮説の構築/仮説の検証等の基本的な技術の理解を深めることを目標とする。
 基本的には言語学専門の授業であるが、主に対象としているのは修士学生であり、予備知識をあまり前提としない形で進めていきたい。他専修の学生さんでも、興味があれば、参加してみてほしい。

授業の進め方について

 授業内容の予定は、下の表に示している通りであるが、授業の進行状況によって、多少順序等が変わる可能性がある。通年科目として行う。

単位の認定について

  • 学期末レポートや学期末試験は課さない。
  • 単位は、(i) 宿題、(ii) 担当の際のやりとり、(iii) 授業への参加度に基づいて判定する。

授業内容

(更新日:2009.06.26)
第1回 2008.04.14.
取り上げる内容 Introduction:生成文法の言語観
論文 (≒『生成文法の考え方』の第1章)
宿題 自分の母語で、どう考えても容認できないと思われる文の例をあげなさい。
第2回 2008.04.21.
取り上げる内容 chapter 1:生成文法と情報としての「意味」
論文 ハンドアウト foundation02
宿題 自分の母語で、何か述語を選び、図 and/or λ-operator を使って、その概念を記述してみなさい。
第3回 2008.05.12.
取り上げる内容 chapter 2:Merge と numeration, predication-argument の関係
論文 ハンドアウト foundation03
宿題 授業中に指定した問題をやってくること。
第4回 2008.05.19.
取り上げる内容 modification の関係
論文 ハンドアウト foundation03
宿題 自分で短文の例を考え、授業の中で出てきた方法で、その意味を記述してみなさい。問題点が見つかったら、なるべく明示的に書くこと。
第5回 2008.05.26.
取り上げる内容 Parser と numeration formation
論文 ハンドアウト foundation03
宿題 今回の授業内容についての質問・感想を提出すること。
第6回 2008.06.02.
取り上げる内容 Parser と numeration formation
論文 ハンドアウト foundation04
宿題 今回の授業内容についての質問・感想を提出すること。
第7回 2008.06.09.
取り上げる内容 生成文法の言語観と言語使用のモデル
論文 ハンドアウト foundation05
宿題 授業中に指定した問題をやってくること。
第8回 2008.06.16.
取り上げる内容 Coreference
論文 ハンドアウト foundation06
宿題 授業中に指定した問題をやってくること。
第9回 2008.06.30.
取り上げる内容 仮説の検証可能性
論文 ハンドアウト foundation07
宿題 授業中に指定した問題をやってくること。
第10回 2008.07.07.
取り上げる内容 連動読み
論文 ハンドアウト foundation08
宿題 授業中に指定した問題をやってくること。
第11回 2008.07.14.
取り上げる内容 スコープの解釈
論文 ハンドアウト foundation09
宿題 授業中に指定した問題をやってくること。
第12回 2008.09.29.
取り上げる内容 Bound Variable Anaphora と coreference
論文 Lasnik, Howard (1976) "Remarks on Coreference," Linguistic Analysis 2, pp.1-22.
宿題 この論文について、よくわからない点を書きなさい。
第13回 2008.10.06.
取り上げる内容 (学生による発表 1)
論文 Reinhart, Tanya (1983b) "Coreference and Bound Anaphora: a Restatement of the Anaphora Questions," Linguistics and Philosophy 6, pp.47-88.
宿題 この論文について、よくわからない点を書きなさい。
第14回 2008.10.20.
取り上げる内容 (学生による発表 1)
論文 Reinhart, Tanya (1983b) "Coreference and Bound Anaphora: a Restatement of the Anaphora Questions," Linguistics and Philosophy 6, pp.47-88.
宿題 この論文について、よくわからない点を書きなさい。
第15回 2008.11.10.
取り上げる内容 日本語の scrambling 構文
論文 Ueyama, Ayumi (2003) "Two Types of Scrambling Constructions in Japanese," in A. Barss, ed., Anaphora: A Reference Guide. Blackwell, Cambridge, pp.23-71.
宿題 この論文の内容を自分なりにまとめなさい。
第16回 2008.11.17.
取り上げる内容 (学生による発表 2)
論文 Ueyama, Ayumi (2003) "Two Types of Scrambling Constructions in Japanese," in A. Barss, ed., Anaphora: A Reference Guide. Blackwell, Cambridge, pp.23-71.
宿題
第17回 2008.12.01.
取り上げる内容 スコープ
論文 Hoji, Hajime (1985) Logical Form Constraints and Configurational Structures in Japanese, Doctoral dissertation, University of Washington, sections 4.2-4.4.
宿題
第18回 2008.12.08.
取り上げる内容 (学生による発表 3)
論文 Hoji, Hajime (1985) Logical Form Constraints and Configurational Structures in Japanese, Doctoral dissertation, University of Washington, sections 4.2-4.4.
宿題
第19回 2008.12.15.
取り上げる内容 連動読みと構造:reconstruction effects
論文 Hoji, Hajime, Satoshi Kinsui, Yukinori Takubo, & Ayumi Ueyama (1999) "Demonstratives, Bound Variables, and Reconstruction Effects," Proceedings of the Nanzan GLOW, The Second GLOW Meeting in Asia, September 19-22, 1999, pp.141-158.
宿題
第20回 2008.12.22.
取り上げる内容 (学生による発表 4)
論文 Hoji, Hajime, Satoshi Kinsui, Yukinori Takubo, & Ayumi Ueyama (1999) "Demonstratives, Bound Variables, and Reconstruction Effects," Proceedings of the Nanzan GLOW, The Second GLOW Meeting in Asia, September 19-22, 1999, pp.141-158.
宿題
第21回 2009.01.05.
取り上げる内容 reconstruction effects と理論の構築
論文 Lebeaux, David (1990) "Relative Clauses, Licensing, and the Nature of the Derivation," NELS 20-2, pp.318-332.
宿題
第22回 2009.01.19.
取り上げる内容 仮説の検証の仕方:CFJ の作り方について
論文 Hoji, Hajime, Satoshi Kinsui, Yukinori Takubo, & Ayumi Ueyama (1999) "Demonstratives, Bound Variables, and Reconstruction Effects," Proceedings of the Nanzan GLOW, The Second GLOW Meeting in Asia, September 19-22, 1999, pp.141-158.
宿題
第23回 2009.01.26.
取り上げる内容 (集中講義につき休講)
論文
宿題