2005 (院生向け)理論言語学研究 I・II

ここに連絡事項を掲載することがありますので、関係者はときどきチェックするようにしてください。
2005.9.27.

 急な連絡になってしまいましたが、10月3日の月2の授業は休講にします。下の予定表は新しい日付になっていますが、自分の発表の日程が都合の悪い週になってしまっている人がいたら、連絡してください。

授業形態

 前期の「理論言語学研究 I」と後期の「理論言語学研究 II」は、一応、独立の科目ですが、内容的には通年で1つの授業を行います。

講義題目

 生成文法研究と scrambling

授業目的

 この授業では、いわゆる scrambling 構文について扱っている論文を読み比べていく。それぞれの論文でどのような現象が指摘され、どのような分析がなされているか、正確に理解することがまず第一の目標である。必ずしもすべての情報を暗記する必要はないが、ある程度は知識として押さえておくことも重要である。

 その上で、各論文の主張を(批判的に)吟味していき、文法理論に対してどのような貢献をしたのか考察していく。そのような作業を通じて、生成文法研究の方法論についても理解を深めていきたい。

 授業では、自分の理解を口頭発表したり、ハンドアウトとしてまとめる技術の向上にも力点を置いていく。

授業の進め方について

  • 取り上げる予定の論文は、下の表に示してある通り。
  • 「上山による講義」の回では、その論文の主要なポイントや時代的な背景を説明する。原則的に、ハンドアウトは配布しない。
  • 「学生によるプレゼンテーション」の回では、担当者がハンドアウトを作成し、その論文の重要な点を口頭発表する。
  • 後期の「学生による批判挑戦1」の回は、担当者が自分たちだけで、ハンドアウトを作成する。前半では、その論文の主張の要点をまとめ、後半では、それを順序だてて批判することを目指してほしい。
  • 後期の「学生による批判挑戦2」の回は、担当者と上山が協力して、もう一度、ハンドアウトを練り直し、それにもとづいて発表してもらう。
  • さらに、「復習演習」の回を設けている。この内容については、授業で説明する。

単位の認定について

  • 学期末レポートや学期末試験は課さない。
  • 単位は、(i) 担当のときの発表、(ii) 「復習演習」の課題、(iii) 授業への参加度に基づいて判定する。

授業内容

(更新日:2009.06.26)
第1回 2005.04.11.
取り上げる論文 Ueyama, Ayumi (2003) "Two Types of Scrambling Constructions in Japanese," in A. Barss, ed., Anaphora: A Reference Guide. Blackwell, Cambridge, pp.23-71.
授業 上山による講義
宿題 例文整理 Quiz
第2回 2005.04.18.
取り上げる論文 Ueyama, Ayumi (2003) "Two Types of Scrambling Constructions in Japanese," in A. Barss, ed., Anaphora: A Reference Guide. Blackwell, Cambridge, pp.23-71.
授業 学生によるプレゼンテーション
宿題 judgment
第3回 2005.04.25.
取り上げる論文 Ueyama, Ayumi (2003) "Two Types of Scrambling Constructions in Japanese," in A. Barss, ed., Anaphora: A Reference Guide. Blackwell, Cambridge, pp.23-71.
授業 復習演習
第4回 2005.05.09.
取り上げる論文 Saito, Mamoru (1985) Some Asymmetries in Japanese and Their Theoretical Implications, Doctoral dissertation, Massachusetts Institute of Technology, Cambridge. より、Chapter 2, Chapter 3.
授業 上山による講義
宿題 例文整理 Quiz
第5回 2005.05.16.
取り上げる論文 Saito, Mamoru (1985) Some Asymmetries in Japanese and Their Theoretical Implications, Doctoral dissertation, Massachusetts Institute of Technology, Cambridge. より、Chapter 2, Chapter 3.
授業 学生によるプレゼンテーション
宿題 judgment
第6回 2005.05.23.
取り上げる論文 Hoji, Hajime (1985) Logical Form Constraints and Configurational Structures in Japanese, Doctoral dissertation, University of Washington. より、Chapter 2.
授業 上山による講義
宿題 例文整理 Quiz
第7回 2005.05.30.
取り上げる論文 Hoji, Hajime (1985) Logical Form Constraints and Configurational Structures in Japanese, Doctoral dissertation, University of Washington. より、Chapter 2.
授業 学生によるプレゼンテーション
宿題 judgment
第8回 2005.06.06.
取り上げる論文
  • Saito, Mamoru (1985) Some Asymmetries in Japanese and Their Theoretical Implications, Doctoral dissertation, Massachusetts Institute of Technology, Cambridge. より、Chapter 2, Chapter 3.
  • Hoji, Hajime (1985) Logical Form Constraints and Configurational Structures in Japanese, Doctoral dissertation, University of Washington. より、Chapter 2.
  • 授業 復習演習
    第9回 2005.06.13.
    取り上げる論文
  • Kuroda, S.-Y. (1988) "Whether We Agree or Not: A Comparative Syntax of English and Japanese," Linguisticae Investigationes 12, pp.1-47, also in Kuroda (1992) Japanese Syntax and Semantics, Kluwer Academic Publishers, Dordrecht, pp.315-357.
  • Kitagawa, Yoshihisa (1990) "Anti-Scrambling," ms., University of Rochester. (a paper read at the Tilburg University Workshop on Scrambling, 10/19/90.)
  • 授業 上山による講義
    第10回 2005.06.20.
    取り上げる論文 Yoshimura, Noriko (1992) Scrambling and Anaphora in Japanese, Doctoral dissertation, University of Southern California. より、Chapter 3.
    授業 上山による講義
    宿題 例文整理 Quiz
    第11回 2005.06.27.
    取り上げる論文 Yoshimura, Noriko (1992) Scrambling and Anaphora in Japanese, Doctoral dissertation, University of Southern California. より、Chapter 3.
    授業 学生によるプレゼンテーション
    宿題 judgment
    第12回 2005.07.04.
    取り上げる論文
  • Webelhuth, Gert. (1989) Syntactic Saturation Phenomena and the Modern Germanic Languages, Doctoral dissertation, University of Massachusetts, Amherst.
  • Mahajan, Anoop (1990) The A/A-bar Distinction and Movement Theory, Doctoral dissertation, Massachusetts Institute of Technology, Cambridge, Mass.
  • 授業 上山による講義
    第13回 2005.07.11.
    取り上げる論文 Saito, Mamoru (1992) "Long Distance Scrambling in Japanese," Journal of East Asian Linguistics, 1-1, pp.69-118.
    授業 上山による講義
    宿題 例文整理 Quiz
    第14回 2005.10.17.
    取り上げる論文 Saito, Mamoru (1992) "Long Distance Scrambling in Japanese," Journal of East Asian Linguistics, 1-1, pp.69-118.
    授業 学生によるプレゼンテーション
    宿題 judgment
    第15回 2005.10.24.
    取り上げる論文 Boskovic, Zeljko, & Daiko Takahashi (1998) "Scrambling and Last Resort," Linguistic Inquiry 29-3, pp.347-366.
    授業 学生による批判挑戦1
    第16回 2005.10.31.
    取り上げる論文 Boskovic, Zeljko, & Daiko Takahashi (1998) "Scrambling and Last Resort," Linguistic Inquiry 29-3, pp.347-366.
    授業 学生による批判挑戦2
    第17回 2005.11.07.
    取り上げる論文
  • Saito, Mamoru (1992) "Long Distance Scrambling in Japanese," Journal of East Asian Linguistics, 1-1, pp.69-118.
  • Boskovic, Zeljko, & Daiko Takahashi (1998) "Scrambling and Last Resort," Linguistic Inquiry 29-3, pp.347-366.
  • 授業 復習演習
    第18回 2005.11.14.
    取り上げる論文 Miyagawa, Shigeru (1997) "Against Optional Scrambling," Linguistic Inquiry 28-1, pp.1-25.
    授業 学生による批判挑戦1
    第19回 2005.11.28.
    取り上げる論文 Miyagawa, Shigeru (1997) "Against Optional Scrambling," Linguistic Inquiry 28-1, pp.1-25.
    授業 学生による批判挑戦2
    第20回 2005.12.05.
    取り上げる論文 Miyagawa, Shigeru (1997) "Against Optional Scrambling," Linguistic Inquiry 28-1, pp.1-25.
    授業 復習演習
    第21回 2005.12.12.
    取り上げる論文 Saito, Mamoru (2003) "A Derivational Approach to the Interpretation of Scrambling Chains," Lingua, vol.113, No.4-6, pp. 481-518.
    授業 学生による批判挑戦1
    第22回 2005.12.26.
    取り上げる論文 Saito, Mamoru (2003) "A Derivational Approach to the Interpretation of Scrambling Chains," Lingua, vol.113, No.4-6, pp. 481-518.
    授業 学生による批判挑戦2
    第23回 2006.01.16.
    取り上げる論文 Saito, Mamoru (2003) "A Derivational Approach to the Interpretation of Scrambling Chains," Lingua, vol.113, No.4-6, pp. 481-518.
    授業 復習演習