講義題目
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生成文法理論演習
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方針
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この授業では、具体的に日本語の分析に取り組みながら、生成文法理論の基本的な考え方と分析の進め方を解説していきたいと思っています。
生成文法の枠組みで書かれている様々な論文を読んで理解するための知識を身につけることと生成文法の考え方そのものを理解して実践してみることとは、ある種、別のことだと考えています。前者のためには、かなりの量の情報/知識が必要で全範囲をカバーするとなると時間もずいぶんかかりますが、後者は特定の現象だけに絞って掘り下げていくことによっても達成可能だと思っています。
たいていの生成文法の入門書は前者を念頭においていますが、この授業では後者の方を目指しているので、決まったテキストは用いず、主にプリントにもとづいて授業を進めていきます。
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対象
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生成文法理論はアメリカのチョムスキーが提唱している言語理論です。抽象的で専門用語がたくさん出てくるという印象を持っている人が多いかもしれませんが、この授業では、予備知識は前提としないで進めていくつもりです。1) 物事をきっちり理解したいと思っている人で、2) 日本語もしくは言語一般の仕組みに興味がある人ならば、どなたでも歓迎します。
チョムスキーの理論に興味を持っている人はもちろん、今までチョムスキーの考え方について{聞いた/読んだ}ことがない人も、チョムスキーの考え方が納得いかないと思っている人も、意見を聞かせてもらえるとありがたいと思っています。
もちろん単なる聴講もかまいませんが、毎回、前回までの内容の上に積み重ねていきたいと思っているので、原則的に毎回授業に出席してほしいと思っています。
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参考図書 |
「はじめての人の言語学 −ことばの世界へ」
上山あゆみ著 くろしお出版
(ISBN 4-87424-051-8) \2200
十分に自分だけで読める内容なので、授業では直接この本の解説はしない予定です。ただ、日本語に関しての基礎的な知識を再確認する役割はあるかもしれないので、この中の練習問題を提出すれば自由課題として考慮するという形で推薦したいと思います。 |