『統語意味論』 目次

序章 何をめざすのか

序.1.「日本語」とは?
序.2. 統語論とは?
序.3. 統語論の説明対象
序.4. 本書でめざしていること

第1章 統語意味論のあらまし

1.1. コトバという仕組み
1.2. Information DatabaseとLexicon
1.2.1. Information Database
1.2.2. 言語表現がvalueとなっているproperty:category property
1.2.3. objectがvalueとなっているproperty:relation property
1.2.4. 数値や度合いがvalueとなっているproperty:degree property
1.3. 語彙項目から文へ
1.3.1. 適格な表示と不適格な表示
1.3.2. LexiconとNumeration
1.3.3. Computational System:解釈不可能素性の削除とMerge
1.3.4. PFから音連鎖へ
1.3.5. LFから意味表示へ
1.4. 意味表示と意味理解
1.4.1. 同定
1.4.2. 固有名詞
1.4.3. ア系列指示詞
1.4.4. 役職語
1.4.5. 「〜という」と同定
1.4.6. ソ系列指示詞
1.4.7. 普通名詞と指標
1.4.8. Information Databaseとの擦り合わせ
1.5. まとめ:統語意味論の立場

第2章 格助詞

2.1. 項となる意味役割と格助詞
2.2. 付加詞としての格助詞
2.3. J-Merge:名詞と格助詞のMerge
2.4. 格助詞ヲと動詞
2.5. 時制要素と「〜が」の移動
2.6. 音形のない「代名詞」
2.7. 本書で未解決のまま残している問題
2.7.1. 格助詞と意味役割の対応
2.7.2. 格助詞連続

第3章 使役構文と受動構文

3.1. 使役構文1
3.2. 使役構文2
3.3. 受動構文1
3.4. 受動構文2
3.5. 本書で未解決のまま残している問題
3.5.1. "Super-Causer" と項構造
3.5.2. -sase-と-rare-の共起

第4章 「A(の)B」構文

4.1. property記述表現による修飾構文
4.1.1. 部分scaleとしてのproperty記述表現
4.1.2. さまざまなproperty記述表現とproperty-Merge
4.2. OBJECT指示表現による修飾構文
4.3. Host property表現
4.3.1. 「鼻」「袖」「エンジン」
4.3.2. 「サイズ」「色」「年齢」
4.3.3. 「弟」「社長」「演出家」
4.3.4. 項としてのHost
4.4. ノ:property-no規則とN主要部としてのノ
4.5. 本書で未解決のまま残している問題
4.5.1. 格助詞連続:「〜からの」
4.5.2. property-no規則の適用条件

第5章 「Aは/がB(だ)」構文

5.1. property記述表現のid-slotに対する条件
5.2. Tの特異性
5.3. 「Aは/がB(だ)」構文
5.4. property-da規則
5.5. 英語と日本語の相違点と共通点
5.6. 本書で未解決のまま残している問題
5.6.1. 修飾構文と叙述構文
5.6.2. 「*サイズの靴」「24cmのサイズの靴」「サイズが24cmの靴」

第6章 PredicationとPartitioning

6.1. 数量表現
6.2. OBJECTとLAYER
6.3. Predication素性とPartitioning
6.4. Partitioning適用後の意味解釈
6.5. 本書で未解決のまま残している問題
6.5.1. ガ格名詞句以外がSubjectとなる場合
6.5.2. 主語/目的語の非対称性

第7章 連体修飾

7.1. 連体修飾節
7.2. 連体修飾が複数ある場合
7.3. 連体修飾と語順

第8章 疑問文と不定語

8.1. 「誰」「何」「どこ」
8.2. 「どの〜」「何人の〜」
8.3. 「どのNの〜」
8.4. さまざまなタイプの疑問文
8.4.1. カが不定語と共起しない場合
8.4.2. 多重疑問文
8.4.3. 問い返し疑問文/クイズ疑問文
8.5. 不定語+モ
8.6. 不定語との連動読みと照応記述制約
8.7. 本書で未解決のまま残している問題
8.7.1. 不定語を用いない不定OBJECTの指示
8.7.2. カ
8.7.3. 束縛条件C

第9章 さまざまな連動読み

9.1. 同一指標による連動読みと依存語による連動読み
9.2. ソコの単数性
9.3. 統語素性BindとMerge規則Binding
9.4. 2種類の連動読みの違い
9.4.1. 語順による制約
9.4.2. 依存語の意味内容
9.4.3. 束縛原理B
9.5. 疑似連動読み
9.5.1. Host propertyの解釈
9.5.2. Host property表現を作るソ
9.5.3. topicとしてのHost

第10章 否定文

10.1. 否定にまつわる問題点
10.2. 非存在を表すナイ
10.3. 動詞否定文のナイ
10.4. ダレモ〜ナイ構文
10.5. シカ〜ナイ構文
10.6. 遊離数量詞構文

終章 統語意味論のこれから

終.1. 統語意味論の目標
終.2. 内的体系性と「社会的契約」
終.3. システムの明示:検証のためのWebページ
終.4. 評価尺度の問題:Hoji (2015)について
終.5. 今後の課題

付録A 解釈不可能素性と統語操作の一覧

A.1. 解釈不可能素性一覧
A.1.1. 統語素性/意味素性の一部をなす解釈不可能素性
A.1.2. 継承されることのない解釈不可能素性
A.1.3. 主要部からのみ継承される解釈不可能素性
A.1.4. 主要部からでも非主要部からでも継承される解釈不可能素性
A.2. 統語操作一覧
A.2.1. 2つの要素に適用する操作
A.2.2. 1つの要素に適用する操作
A.2.3. 特定の語彙項目に関わるMerge規則
A.2.4. Partitioning (6.3節)

付録B Numerationからの派生の全ステップ

B.1. ビルがジョンにメアリを追いかけさせた (3.1節)
B.2. ビルがジョンにメアリを追いかけられた (3.3節)
B.3. 3人の男の子が2人の女の子を誘った (6.3節)
B.4. ジョンが見かけた女の子 (7.1節)
B.5. ジョンがどこが勝ったか知りたがっている (8.1節)
B.6. どの大学の学生が来ましたか (8.3節)
B.7. ジョンは,メアリが誰を誘っても,パーティに行く (8.5節)
B.8. かなりの数の大学がそこを支持していた人にあやまった (9.3節)

参照文献

あとがき

索引

事項索引
語彙索引